「ベスト・キッド」って映画、
知ってる?

80年代のアメリカ映画なんだけど、
いじめられっ子の少年が
「強くなりたい!」って奮起して
カラテの達人のオッサンに弟子入りするの。

ところがそのオッサンが、全然カラテを教えてくれなくて、「ワシの車にワックスがけしておけ」とか雑用させられる

「カラテは教えてくれないの?」
「ワックスがけ終わったら教えてやる」

やらないとカラテを習えない、少年は仕方なくワックスがけをする。
オッサンは「手つきが違う、こう外へ円を書くように!」とか、口うるさくイチャモンつけてくる。


来る日も来る日もワックスがけ。
ある日、全然カラテを教えてくれないオッサンに
「ひどいじゃないか。毎日まいにちワックスがけばっかさせて! いつになったらカラテを教えてくれるんだよ!」

するといきなり、
オッサンが「ヤーーー!!」と殴りかかってきた!

少年はとっさに、オッサンのチョップを手で受けた、その動きは
     毎日まいにちワックスがけで繰り返した、「外へ円を描くような」手の動き 。

そしていよいよカラテの修行が始まるのでした。 そんな話。



徒弟制においては、弟子は
「目的を理解してはいけない」
「なぜ?」を問うてもいけない。
師匠が自分をどこに連れていこうとしているのか、先を見てはいけない。
先を見ると、今するべき修行がおろそかになる。


田楽座で稽古するとき、後輩たちに
「とりあえず、こういう練習しよう!」
とメニューだけ伝えて、理由は説明しないことがある。
私は「説明したがり屋さん」「話したがり屋さん」なのだが、そこはグッと我慢ガマン。

初めに「何のためのメニューか?」を説明しちゃうと、すべてが台無しになっちゃう。
みんな「なるほど、そういうことなんですね!」と成長した未来の自分ばかりをイメージしちゃって、
私が練習してほしかったメニューはお座なり、その練習で深く体得してほしかった身体感覚に到達することなく、
「解った気分」になってしまう。


違う、そうじゃない。




惑星ダゴバーにて。
ルーク「僕を弟子にしてください、ヨーダ!」
ヨーダ「お前の目は遥か遠くの未来を見ておる。今ある現実を見つめようとしておらぬ」



そう、今ならオレもわかるよヨーダ。
そういうことだったんだね。



あ、この話、一応オンラインレッスンのフォローです。
何のためのメニューか分からないほうがいいこと「も」時々あるよ、というお話でした。

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次回、2月24日(水)アップ予定。