身体を使うことって、すごい感覚的なこと。

身体には身体の、主観的なカンカク言語がある。
でもこの「身体の主観のカンカク言語」は、コトバ上は矛盾してることが多い。

「ここの体の向きは正面!」
「ヘソが正面を向く!」
って力強く先生が断言してても、
どう見ても先生のオヘソは正面向いてない。

どうしたら良いんだー!!


ここで弟子は先生に、
「イヤ、でも先生のヘソ、正面向いてないっすよ」
とか、突っ込んではいけない。


なぜなら先生の、身体の主観的には
「ヘソは正面を向いている」というのは
動かしようのない事実だから。



これが弟子に理解できないのは、雑な言い方だけど「修業が足りない」のです。

そして正しく「修業を積む」と
(=先生の発した謎のコトバについて悩み続けると)
いつか答えに導かれ、解脱できるのです。

この解脱した人間だけが、
「先生のおっしゃること、私ももわかります!
 私の肉体も同じことを言っています!
と先生に共感できるのです。


解脱に達していない未熟な弟子の目には、そういうことを言っている先生や兄弟子たちが、
カルト教団のように見えてしまうのですが、
自分がその域に達することでしか、先生たちの言ってることが分かる道はないので、
理解することは諦め、修行にいそしむしかないのです。

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学生のころ、ある踊りのグループに練習に行ったときに、そのグループのある1人が
「この踊りのこの瞬間ってさー、お腹の中がグルグル回る感じじゃない?」

え? お腹の中がグルグル回る? 何それ?


すると別の1人が
「分かる~! それって右回りじゃない?」
え? え? 右? 右なの?


「あ、そうかも! 確かに右だ!」 「ね、ね、だよねー!」
ええええええーーーーーーーーーーー? み・・・・右ですか・・・。


数年後。
私のお腹の中も、確かに右回りでグルグル回ってるなあ、と感じるようになったのでした。


身体を使ってる人って、ときどきヘンなことを言います。
でも、本人にとってはそれは、ヘンなことではなく、
「そうとしか言い表しようのないこと」なのです。



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次回、1月27日(水)アップ予定。