つづき。


スポーツとか太鼓とかならまだ、動いてる体が外から客観的に見える。

じゃ、これが笛になったらどうだろう?
口の中がどうなってるかは見えないし、息も透明だから見えない。

さらに、歌になったら?
声帯の中、つまり内蔵のことだから、ホントにわからない。

唄がうまくなりたくて、ひところボイストレーニングについてかなり調べてみたんだけど、
ボイストレーニングの世界はかなり混乱しているそうな。


それはやっぱり講師が、自分の成功体験に立脚して指導しちゃうから。
ボイトレ本とか「こうすれば歌が上手くなる!」ってヤツもそう。



声帯もたくさんの筋肉とかの集合体だから、
この人は声帯が長いとか、
この人は声帯内のどこの筋肉が弱いとか、
この人はA筋とB筋の連動が悪い、とか、
人によって傾向が違う。

傾向が違えば、当然とるべき対策も変わる。




これ、声帯を身体に置き換えるとわかりやすい。

バレー選手に例えると
この人は身長が足りないとか、
この人は腕の筋肉が弱いとか、
この人は上半身と下半身の連動が悪い、とか、人によって傾向が違う。
傾向が違えば、当然必要なトレーニングが変わる。

身長が足りない人はまずジャンプ力、とか。
腕の筋肉が弱い人は筋トレ、とか。
上半身と下半身の連動が悪い人は・・・上手な人の動きを見てイメージをコピーする、とか
それぞれに必要なトレーニングがあるだろう。


ボイトレの場合はどうか?

指導者と同じ喉のつくりだったり、
同じ課題を持っている生徒なら、
指導者の成功パターンをたどればいい結果になる可能性は高い。


でも声帯の長さは人によって違うし、声帯を取り囲む様々な筋肉の、それぞれの強さのバランスや、使い方のクセや器用さも、人によってすべて違う。


ところが見えない体の内部の小さな世界のことなので、最初に言った「アタックが決まらないのはジャンプ力が足りないからなのに、ひたすら腕の筋トレばかりやらされる」といったことがまかり通るらしいのだ。

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次回、11月18日(水)アップ予定。