スターウォーズ以降とか、ターミネーター2以降、マトリックス以降とか、新しい映像表現が生まれると、その後に続く作品がみんな追随する。そうやって映像文化が更新されて、テクニックやノウハウが塗り替えられると、それまでのノウハウやテクニックは忘れられて、捨てられちゃう。
古いものはリアルタイム世代でなければ、「古い」としか感じられない。

例えば歌舞伎や人形浄瑠璃とかって古典芸能は、音声解説とかパンフレットがないと、正直現代人にはわからないよね。興味深くはあるし、一周どころか何周かまわって逆にカッコいい、というのはあるけど。
江戸時代のリアルタイム世代の娯楽感覚とは、現代人の娯楽感覚はだいぶズレちゃってるもんで、正直「どういう意味?」とか、「説明ほしい」って思っちゃう。
仕方ない、古いってそういうことだもん。
江戸時代までさかのぼらんでも、戦前の「のらくろ」とか初期の手塚治虫とか、まだマンガ文化が確立されてない時代のマンガって、やっぱり読みにくい。

でもピーターパンの飛翔感は、70年も経ってるのに、今のアニメと同じ感覚で見れちゃう。



これはスゴイことであると同時に。
「ディズニーが作り上げたアニメや映画の映像表現文化が、その後ほとんど更新されていない」、ということなんじゃないか。


これはもう、伝統芸能みたいなもんだよね。
猿楽能を大成した観阿弥世阿弥のような。
現代まで伝わる、いわゆる「古典落語」を創った三遊亭円朝のような。
アニメだとそれがディズニー。


そのジャンルの黎明期にディズニーが完成させちゃって、70年近く進化してない。
進化してない、って言いきっちゃうと語弊あるけど、今見ても普通に見れるってのは、ベースのところが塗り替えられてない、ってことなんじゃないかな。
さすがに白雪姫(1937)やピノキオ(1940)くらいまでさかのぼると、だいぶ古さも感じちゃうけど、ダンボ(1941)になるともうフツーに面白くて。ダンボ泣ける~。ピンクの像のシーンもおしゃれー。これ作ったのが日本と戦争する前って・・・。


古くならない、って話でいうと、ピーターパンと同じく1950年代の映画で「ローマの休日」。
これもスゴイよね~、名画だとか名作だとか高尚な話じゃなくて、フツーに楽しくワクワク見れちゃう。
当時のアメリカ人のセンスの良さが時代を超えてる、とも言えるし、日本人の戦後文化が完全にアメリカ文化に塗り替えられちゃった、とも言えるかもしれない。

日本の古い伝統文化に関わってる立場からすると、ビミョーなところもあるけど、自分自身がそういう感覚なんだから今さらどうしようもない。


#ディズニー #アニメ #映画 #祭り #伝統芸能  #田楽座
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 「速いか遅いか」トーク① 主観と客観
6月24日(水)13時アップ予定です!