ネット上に、自分の考えをオープンにする、という初めての行為に、
今まで感じたことのない心のザワザワを感じながら、のガクガクブルブルのBlog第2回です。


前回、ゴジラにまつわる「思い出補正」の話をしましたが、
私はこの「思い出補正」力が、伝統芸能の進化を促す、と思っていて。

若いころに見た親世代や先輩たちの芸・技を「すげ~」って見ていて、「どうやったら再現できるんだろう?」と記憶を頭で何度も反芻してるうちに、記憶がどんどん美化されていく。
ひょっとしたら、ビデオとか物的証拠で客観的に比べたら、後の世代のほうが実力が上回っちゃってることもあるかもしれない。
それでも「あの人の踊りは大したモンだったよ~」「オレのお爺はスゴかった~」と語られる、その繰り返しで数々の芸能が高レベルになっていったんじゃないかな。
「昔はスゴかった」という言葉の中にはもちろん、ほんっとにメチャクチャすごかったこともいっぱいあると思いますが。

以下は私自身の経験で。
学生のころビデオで見たある踊りの、足の踏み出しを一歩見た瞬間、心が「ギョ!」っと鳴るのを感じた。
  地面とつながった支え足の重心線の上を、
  腰を中心とした上半身が全く揺らがずにスーッと移動して、
  いつの間にか踏み出し足の側に体重が移動している。

「安定した足腰とはこのことか!」という、ふだん民舞サークルの先輩たちからコトバで言われていたことを、ビデオを通じて目の当たりにしたのでした。その後、VHSのテープがスリ切れるほど(切れなかったけど)同じビデオを繰り返しくりかえし、何十回、何百回見たかわからない。

でも先日、そのビデオを久々に掘り起こして見てみたら、まあ何というか。フツーでした。
もちろん隅から隅まで記憶に焼きついてるとおりだし(同じビデオだから当たり前)、その踊り手がすばらしく上手い、という事実も変わらないんだけど、心の衝撃はもう無かった。その後の人生で、いい踊りをたくさん見てきて、そういうスゴさに感覚が慣れて麻痺しちゃったのかもしれない。
(一緒に見てた相方は「この踊り手、タダ者じゃねーな・・・」って感銘受けてました)

ビデオや動画は残っても、心の衝動が消えていってしまうのは勿体ないような気もする。保存できずに無くなっちゃうものだからこそ、大事なんだなー。

「思い出補正」力は、「先人リスペクト」力と言い換えることもできるかも。「やっぱり先人には学ぶところがいっぱいあるわ~」と肯定する力。これは伝統にたずさわる人には絶対必要な力。昔の人の動画を見て「あんまり上手じゃなくね?」とか言ってると、大成しないんじゃないかな。


#思い出補正 #祭り #伝統芸能 #民舞 #田楽座
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さてさて、田楽座ではライブ配信も始めたのですが、
今度の日曜(5月24日13:00~https://twitcasting.tv/c:dengakuza/shopcart/6482
の配信では、祭りや郷土芸能の現地取材についてトークする予定です。
なので来週のブログでは、配信では話し足りなかったことにも触れようかな~と思ってます。
次回ブログ 「現地取材が田楽座の首をしめる?」
5月27日(水)13時アップ予定です!